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よいどれうさぎ

「聖なる黒夜」 柴田よしき

評価:
柴田 よしき
角川書店
¥ 860
(2006-10)

評価:
柴田 よしき
角川書店
¥ 780
(2006-10)

《あらすじ》
悪魔のように悪賢く、美しい男妾あがりのヤクザ…それが、十年振りに麻生の前に現れた山内の姿だった。
十年前の気弱なインテリ青年はどこに消えたのか。
この十年の間に何が起こったのだ?
新宿を牛耳る大暴力団の幹部・韮崎誠一惨殺事件を捜査する麻生は、次第に過去に追い詰められ、因縁の波に翻弄されて暗い闇へとおちていく…。
愛と宿命に操られた者たちの果てしなく長い夜。
人間の原罪を問うて、深い感動を呼ぶ傑作。


この作品を知ったのは英田サキ先生の「さよならを言う気はない」を買うかどうか迷い、アマゾンのレビューをチェックしたときでした。
わりと多くの人が同作品を「聖なる黒夜」のパクリだと書いていて、「へ〜〜」と思った記憶があります。
けど、私は「さよならを〜」から先に読み、普通に面白いと思ったので、あえて元ネタ(?)に当たる「聖なる黒夜」を読んでみたいとあまり思わなかったんですよね。

でも、ちょっと時間ができたので興味本位で読んでみることにしました。
あ、言うの忘れましたが、これはBL小説ではなくあくまで一般書ですからね。同性愛的描写はありますが。
角川文庫であって角川ルビーではありません(笑)

しかし、長い!!
めちゃくちゃ長い。
ハードカバーで600ページ以上、しかも二段組。(上の画像は文庫版のものです)
これを「読み応えがある」と取れるか否かはそのときの精神状態にかかっていると思われます。
そして読み終えてみて、結論から言うと「さよならを〜」がこれのパクリと言われるというのもまぁ、わからないではない。
でもパクリと断言できるかと言われると、ちょっと迷う。設定はちょこちょこ変わってますからね。
骨組みが一緒で肉付けが異なるといえばいいのでしょうか。

当たり前ですが、ミステリーとしての質は「聖なる黒夜」のほうが上です。
分量も明らかに異なるし、ジャンルも違うのだからそうでないと困る。
ただ、英田先生がこの作品に出てくるヤクザ・山内練からインスピレーションを受けて天海泰雅というキャラを創り出したと仮定した場合、キャラとしての魅力は天海のほうが上でした。私にとっては。

山内は他の柴田作品にも出ているらしいのですが、私は「聖なる黒夜」しか読んだことがないので、同作品の彼のみを見た感想しか言えません。
それを承知で言うと、山内は何となく女々しい印象がなきにしもあらずでした。
彼自身がどうこうということではなく、天海と比べてしまった私が悪いんですけどね
山内が登場するほかの作品を読めば、印象が変わるのかもしれません。

比較はこのくらいにして、「聖なる黒夜」自体について述べますが、この作品は長い上に登場人物がめちゃくちゃ多いので、一気に読んでしまったほうがいいと思います。
間を空けてちょこちょこ読んだりしていると、「誰だっけこの人?」ってなること請け合いです。
私は二日で読み通しましたが、それでも一瞬誰が誰だかわからなくなったので。

お話の質としては悪くなかったと思います。
山内や麻生は柴田作品の他のシリーズでも出てくるらしいですが、これだけ読んでも問題ありませんでした。
ただ、星五つではなく星四つとしたのは、途中で犯人がわかってしまったのと、登場人物のあまりに生々しい情念にすっかり当てられてしまったからです(笑)
ぶっちゃけて言えば、胸焼けしてしまいました。
愛憎渦巻くドロドロ展開は好きなのですが、分量が多かったせいでしょうか、胃もたれ起こしちゃいました。
あと、個人的にちょっと納得いかなかった部分もあった。それについては後述。

以下ネタバレ。

最大の疑問は、なぜ麻生は取調室で山内にキスしたことを忘れているのかってことです。
まだ一回しか読んでいないので読み飛ばしがあるのかもしれないですが、麻生がその時のことを思い出したっていう記述はなかったように思うのですよ。
てことは、麻生は無意識のうちにその記憶を奥底へ封じ込めたってことになるのでしょうが、でも普通そんなこと忘れるかね??
おまけに麻生は山内の存在自体を忘れ去ってたんですよね。
麻生は及川とも関係を持ってたことがあったわけだから、男と接触することにあまり抵抗感がなかったのだと仮定しても、容疑者に対して明らかに度を越した接触をしといてそれをさっぱり忘れられるというのが私には良くわかりません。
それでも私は麻生が好きですけどね。この作品のキャラの中で一番好き。

たぶん読者の皆さんは麻生と山内に注目することが多いのでしょうが、私は及川と麻生の関係が一番興味深かった。
山内は麻生に対して愛憎半ばする複雑な感情を抱いているのでしょうが、私から見れば「愛>憎悪」にしか見えませんでした。
山内は麻生の奥さん寝取ったり色々ひどいことをしてるんですけど、彼の現在の言動や行動を見る限り、どう見ても麻生が好きなのでいまひとつ心にぐっと来なかった。
その点及川は、昔麻生と付き合っていたものの、麻生が玲子に心変わりしたため別れたという壮絶な過去を持つ。
しかも別れ際に「殺してやる」ですからね。で、本当に殺そうとしてるし。
そして麻生の舌でタバコを消すあたり、及川の麻生に対する根深い情念を感じて背筋がゾクゾクしました。
山内と寝てしまうのも歪んでていいじゃないですか。こういう描写がある辺り、これは一般書なのだなあとつくづく思う。

自分でも不思議だったのですが、これを読んでもいわゆる「萌え」は一切感じませんでした。
及川と麻生の関係に感じた魅力がもしかしたらそれに近かったのかもしれませんが、私にとってはあくまでもBL小説ではなく「一般書」なんですよね、この作品は。
この本を読んで、BLはやっぱりファンタジーなんだなぁとつくづく思いました。
だってこの本に出てくる同性愛的描写、やけに生々しく感じてしまいましたもん。
読了後胸焼け起こしたのはたぶんそのせいもあります。
変ですよねぇ、これだけBL小説読んでるくせに

あとですね、私はハードカバーで読んだのですけど、文庫版にはハードカバーには未収録のサイドストーリーが載っているのですよね。
気になって立ち読みしてみました(爆)
しかしなぁ…上巻の「歩道」なのですが、これは果たして収録する必要があったんでしょうか。
「SIMPLEX」を読んだときと同じ虚脱感を味わってしまった。
「実は前から出会ってたんですよ」的な展開は私は好きじゃないらしい…。
下巻の「ガラスの蝶々」はよかったと思う。こんな蝶、ほんとにいるんですねぇ。

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