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よいどれうさぎ

「成澤准教授の最後の恋」 高遠琉加

評価:
高遠 琉加
角川書店(角川グループパブリッシング)
¥ 580
(2010-01-01)

JUGEMテーマ:BL小説
《あらすじ》
フランス文学部准教授兼有名翻訳家の成澤は、強い雨の夜、非常階段で死のうとしていた蒼井を助ける。
彼は馴染みの出版社の新米編集者だった。
なぜかその時の思いつめた表情が気になり、次の仕事を受ける代わりに、無理やり蒼井を担当に指名した成澤。
厭世的で人との関わりを避けてきた自分とは違い、純粋で常に前向きな彼に、恋に堕ちたと自覚した成澤は、どうしても君が欲しいと、蒼井に想いを告げる。
しかし、頑なに自分を拒む彼には、癒えない心の傷があると知り…。
准教授×新米編集者の身も心も捧げる、最後の恋!!


高遠先生の久しぶりの新刊でございます。
いやー、面白かった!
秀麗な美貌の持ち主で、クールでドライなんだけど子供っぽいところのある成澤はかなりツボでした。
お相手の蒼井は地味系ながら芯が強く、成澤の子供っぽいわがままを母親のように(笑)「しょうがないな」と受け止めてあげているなかなかに包容力のある子です。
蒼井の右目に泣きぼくろを見つけた時点で、「あ、この話絶対好きだ」と思ってしまった私(笑)
いいですね、泣きぼくろ……。

全部読み通してみると、あらすじと内容が若干食い違っているような気がしないでもないですが。
蒼井に関していうと、何で「癒えない傷がある」のに「常に前向き」なんだ?とか考えたりしてたのですが、ちょっとそこは齟齬があるみたいです。
蒼井は純粋ではありますが、特に前向きな性格というわけでもありません。

恋を知らなかった男が初めて恋に落ちた相手は、決して自分を見てくれない……読んでる途中まではよくある話かと思いきや、中盤が過ぎたあたりで一捻りあるのはさすがですね。
ちょっと唸ってしまいました。蒼井、やるなぁ〜って。
まぁそのあたりは中身を読んでお確かめくださいな

今回の作品は、高遠先生にしては濡れ場多めです。
そして成澤が結構やらしい奴なので、色気も倍増。ポイントは「ほくろ」です!
高永ひなこ先生のイラストもとても合っていました。
私は131ページの挿絵が一番好きです。変態だと言われそうですが……
濡れ場の挿絵が好きなんて、今まであんまり思ったことないんですけどね。

ところで、主人公の成澤はフランス文学者ですので、作中にもフランス文学がちょこちょこ出てきます。
しょっぱなからプルーストの「失われた時を求めて」の引用が出てくるのですが(マドレーヌがどうのこうのという出だしの、アレです)、これはかなり長い作品らしいんですよね。
うちの父も読書家でして、海外文学にも結構手を伸ばしているのですが、これだけはいまだに読破できていないそうです。
読んでるといっつも途中で眠たくなるそうな(笑)
まあその気持ちも何となくわかります。私もたった数行の引用を読んだだけで「こりゃダメだ」と思ってしまいました
海外の小説ってどうしてこう持って回ったような言い方なんだろう。もちろん面白いものもたくさんありますけどね。

でも、作中で使われていたヴェルレーヌの詩は何となく好きだった。

恋も憎みもしないのに 心がこれほど痛むのが なぜかわからぬそのことが すべてにまさる苦しみだ

どんな場面に出てきたのかは、作品を読んでみてくださいな。
なんだか久々の新刊とあって、高遠先生も何となく気合が入ってるような気が。
レイアウトも気合入ってますしねぇ。(そこを頑張ったのは担当さんでしょうが)

余談ですが、成澤が勤めている大学は「王子様には秘密がある」という作品にも出てきます。
こちらの作品を読んでいると、「おお、あの大学じゃないか」とちょっとニヤニヤできますよ

以下、ネタバレです。

このお話は成澤先生の成長期みたいな感じでした。
いやホント、この上なくパーフェクトな成澤が、地味で目立たない蒼井にコテンパンにやられるところは見物でしたよ。
最初は強引に関係を持って、「純愛なんて、こんなものか」なんてひどいことを考えていたのに、どんどん蒼井にハマっていって。
けれど、どんなに甘い言葉を言っても蒼井が手に入った気がしないものだから、いつも不安が消えず。
唯一蒼井が自分のものだと感じられる瞬間が、身体を重ねているとき。
そんなもんだから、身体の関係だけがどんどん深くなっていく。
ほくろを数えたり、ほくろを数えたり、ほくろを数えたりね(笑)
個人的にはなかなか萌えたんですが、けどやっぱり、心は離れたままなんですよね

そして、興味半分で蒼井に手を出したツケが回ってきました。
なんと蒼井は、成澤に死んでしまった想い人を重ねていたのです。
考えてみると蒼井のしたことは結構ひどいことなんですけど、成澤の好きにされてるように見えていた蒼井の思わぬ逆襲(?)に、私はちょっと感心してしまいました。
無敵のカード、ジョーカーを握っていたのは蒼井のほうだったというわけで。
愕然とした成澤の顔が印象的でした。

まぁ、ちょっと可哀想ではありましたが、ことさらに蒼井を非難したり、成澤に同情したりっていうことはなかったです。
成澤は蒼井にキスした時点でもうとっくに恋に落ちていたと思うのですが、本人はその時はまだ自覚していなかったので、蒼井と関係を持つのも興味本位の域を出ていなかったわけですよね。
そんないいかげんな気持ちを蒼井はきっちり見抜いていましたし、だからこそ想い人と重ねつつ成澤と寝る、という選択をしたんだと思います。
逆に、成澤が最初から真剣に告白していたら、蒼井は成澤とは寝なかったと思いますよ。
想い人と重ねている自覚はあったでしょうから、そんな思いを抱えたまま成澤を受け入れるなんてことはしなかったと思います。それを失礼だと思う良心はあったでしょうしね

関係を重ねていくうちに成澤への思慕も混じりだしていたのでしょうが、成澤にとって自分との関係は遊びだと蒼井が思っていた以上、蒼井が自分の本心を吐露するわけがない。
うわべだけの言葉を吐く人間に、真摯な気持ちなど受け取ってもらえるわけがないと思うのが自然でしょうから。
で、成澤が普段の取り澄ました仮面をかなぐり捨てて初めて、蒼井も本音を口にしたというわけですね。
普段はスマートに愛の言葉を伝える成澤が、「淋しい」とか「好きだ」とか子供みたいな告白しかできない様子は何ともいえず可愛らしかったです

何はともあれ、両思いになってよかったよかった。
二人に振り回される格好になった葛城もこれでほっと胸をなでおろした……かも?
彼もかなり好きなキャラだったので、今度は彼の話が読んでみたいですね。
もしくはナルナルの続編でもいいです(笑)

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