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よいどれうさぎ

「FRAGILE」 木原音瀬

評価:
木原 音瀬
アスキーメディアワークス
¥ 725
(2008-04)

JUGEMテーマ:BL小説
《あらすじ》
大河内の人生は、バラバラに壊されてしまった。
一人の男の手で―――。
才能あふれる部下・青池を嫌い、一方的に蔑ろにしてきた大河内。
我慢の限界を迎えた青池は大河内に襲いかかるという事件を起こし、社を去っていく。
目障りな存在がいなくなり安堵したのも束の間、ある夜、その青池が大河内の自宅で待ち構えていた…!
大反響の雑誌掲載作に大量書き下ろしを収録。
二人が踏み込んだ愛憎の迷路のたどり着く先は―――。


私がBLに目覚めてかれこれ五年くらい経ちますが、ようやっと木原先生の作品を読みました。
誰もが知る大御所作家さんでありながら、私にとってはどこか遠い存在だったんですよね、今まで。
ペンネームもずっと「きはら・おとせ」さんだと思ってましたし……「このはら・なりせ」さんですね、正しくは。
自力では絶対にたどり着けない読み方だ

まあそれはともかくとして、これ、以前から気になってはいたんですよ。
ただ、レビューをチラ見してみるとかなり痛い内容みたいだったので、かなり精神状態が安定してる時でないと読めなさそうだったんですよね。
そしてそのまま放置してたんですが、最近コメントを下さった方の何気ない一言からふと思い出しまして。
放っておくとまた「読みたい」と思ってたことすら忘れそうだった(爆)ので、もう今買って読んじゃえ!と一気読みしてしまいました
ユジョンさん、みしゃりんさん、私はとうとうやりましたよ!(私信)

結果としては久しぶりの満点評価ですよ。
お話の面白さだけで純粋に評価すると星四つくらいかもしれませんが、こういうBLは木原先生にしか書けなさそう……という敬意を込めて星五つにしています。
ただ、相当の覚悟を持って読まないといけない作品であることには変わりないと思います。
いくら恨みがあるとはいえ青池の大河内に対する仕打ちはかなり酷いですし。
監禁ものという陰惨なシチュエーションを裏切らない陰鬱な展開で、二人とも不幸になる以外の未来が想像できませんでした

でも、いったんページをめくったら最後まで止まらせない筆力は純粋にすごいと思いました。
お話の方も、ヤンデレの攻めがお好きな方なら結構大丈夫なんじゃないかと思います。
精神が安定してる時に読みさえすれば(笑)

以下、激しくネタバレです。

いやはや、人様のレビューを読ませていただいて、青池が大河内に対してどういう嫌がらせをするかは大体知っていましたが、実際読むとやっぱりキツイ
この作品には表題作「FRAGILE」と「ADDICT」の二編が収録されていますが、前者の最初のあたりはもう読み返す気力が湧かないですよ。
精神が比較的安定してる今ですらそう思うんですからね。
漂ってるマイナスオーラがハンパないのがお分かりいただけるかと(笑)

だってドッグフードって……しかも途中から青池の精○のトッピング付き。
うえ、書いてて気持ち悪くなってきた……
ここらへんはあまり想像力を働かせず、ただただ文字を追うだけに留めておいた方がいいですね。
私は大河内の性格の悪さよりも青池の異常な仕打ちの方が印象に残ってるので、途中から大河内が可哀想になってきましたよ。
まあ、最初は青池に拳銃を突きつけられて「ひいいっ」って叫んだり、首輪についている鎖を引っ張られて「ぐえっ」とか言ってる大河内にそこはかとなく笑いがこみあげてきたんですけどね。ごめん大河内。

大河内視点だとまるで悪魔のようだった青池が次第に人間味を帯びてくるのは、「ADDICT」の中間あたりからですかね。
大河内が入院しちゃったあたりも優しいといえば優しかったのですが、拳銃事件のあと以来、青池はまた暴君に戻っていたようなのでそこはノーカウント(笑)
こうして改めて思い返すと、青池の仕打ちは本当に過酷・冷酷で、いくら憎んでいたとはいえ他人に対してよくここまでできるよなあと思います。
でもそこは、青池の中に拭いきれない恋心があるから話が余計ややこしくなるんですよね
時々、「あなたホントに大河内のこと好きなんですか?」って言いたくなることがあったとしてもね。

私は最初、このお話はハッピーエンドであるはずがないと思ってました。
「ADDICT」の途中から何だか本当の恋人同士みたいに甘い日常が続いていましたが、この容赦ないお話がこんなに甘いまま終わるわけないので、「私は騙されないぞ!」とむやみやたらに警戒しながら読んでました。
そしたら案の定ですよ。変な話ですが、大河内の置き手紙の内容を知った時、私はちょっとホッとしました。
あ〜やっぱりね、バッドエンドだわこの話、みたいな。
誰もバッドエンドのお話だとは言ってないのに、なんでここまで思いこめたのかよくわからないんですけど

しかし青池が最後の凶行に走った時は、「えっ、バッドエンドどころかデッドエンドか!?」と焦りました。
ちょ〜っとこれは予想外。誰もデッドしなくてホントによかったです。
最後はなんだか元の蜜月関係に戻ってるし……
でもたぶん、大河内はやっぱり青池のことを愛してはいないんだろうな。
ただ、大河内自身も言っているように、彼が青池という存在に縛りつけられていることは自覚している。
それを恋と呼ぶかどうかは置いといて、今の大河内には青池が必要であることは否定できないと思います。
でも大河内は小狡くて気が弱いので、自分から青池を迎え入れるなんて絶対できない。
だから、「無理矢理」という体裁でないと一緒にいられないんですよね。
かなり歪んでるけど、これも一つの愛の形なのかな……そう思うしかないんだろうけど(笑)

で、問題は青池ですよ。
病院で意識を取り戻した後、青池は大河内が救急車を呼んだことを知り、不思議に思って「俺が死んだ方が都合がよかったんじゃないですか」と問う。
そして大河内の答えを聞いて爆笑するんですよ。
まあそれだけのシーンなのですが、これが妙に心に残って。
青池はなんで笑ったんだろう……と思っていたのですが、考えてみると、大河内に裏切られた後、彼の中には「死」しかなかったんだろうと思うんです
大河内の心を手に入れたと思ってたけど、それはやっぱり幻想で、青池の好意は大河内にとって「死」に匹敵するものだった。
かつて大河内に拳銃を突きつけられた時と何も変わってなかった……それを知って、死ぬことでしか決着がつけられないと思ったのでしょう。

でも結局、彼は生きながらえた。
皮肉にも、「自分の部屋で不審な死に方をしては困る」という大河内の身勝手な(とはいえ、当然の考えですけど)性格によって。
大河内がなぜ救急車を呼んだのか、私にもはっきりとはわかりません
以前は迷いながらも拳銃の引き金を引いたのに、なぜ今回は青池の死を見届けられなかったのか。
はっきり言って救急車を呼ぶ必要なんてどこにもないんですよ。
そのまま放置して、あとで機会を見て死体を始末することだってできたはずです。
例の拳銃が本物だったなら、同じことを大河内はしなければならなかったわけですし、何も変わらないはずなんですよ。
たぶん、青池もそうなると思ってたはずです。
大河内と一緒に朽ちていくという未来は想像の世界だけのことで、実際にはそうならない可能性の方が大きい。だってナイフがある時点で、大河内が拘束を解けるのはほぼ確実ですからね。

けど、大河内は助けを呼んだ。
そのまま放置しておけば青池は確実に死んで、もう二度と自分に付きまとうこともなかったのに。
何度も何度も追いかけられているわけですから、ここで青池を助ければ再び以前のような監禁生活に戻るリスクは高かったわけです。
なのに、大河内は青池を生かした。
青池が思いもよらず自殺を図って、それが怖かっただけで何も考えずにした行動なのかもしれませんが、それでも青池にしてみれば、そばにいることを許されたような気がしたんじゃなかろうか
大河内の方にそんなつもりは全くなかったとしても(笑)

というか青池は所詮大河内からは離れられないので、彼の中には「死ぬこと」と「そばにいること」、この二種類の選択肢しかなかったように見えます。
前者は大河内に拳銃を向けられた時から現れ出た選択肢なのかもしれませんが、この「死ぬこと」にしたって、結局青池は大河内のトラウマになるような死に方しかできないような男ですよ
富士の樹海に行ってこっそり死ぬとか、人知れず断崖絶壁から飛び降りるとか、そういう綺麗な死に方なんて絶対しそうにないし、しようとも思わないでしょう。
大河内は「死ぬなら他の場所で死ね」と言ったけど、たぶんそれは無理。
あの衝撃的な方法でなければ、青池は大河内に簡単に忘れられると思ってるからです。

実際はそんなことないんですけどね。
青池が自殺未遂を図る以前から、大河内の中には青池が深く根を下ろしていたわけですし。
けどまあ、青池がそんなことを知る由もないので、死ぬのがだめなら、じゃあやっぱり大河内の傍にいるしかないなと思ったのかな。
あの病院での爆笑は、そんな自分に呆れて出たものだったのか、それとも単に大河内らしい発言に笑いを誘われただけなのか…。

けど、おもちゃとは言え殺意を持って拳銃を突きつけられた時のことを思えば、助けを呼んでもらっただけで充分嬉しいんじゃないでしょうか。
最初のことを思えば、二人の距離は絶対に縮まってるんですよね。
憎まれてるに違いない、見殺しにされるに違いない―――そういうふうに思っていると、ほんのちょっとしたことでも嬉しく感じるものですよ。
もともと青池は、性格の悪い大河内を好きになって、いいところなんかどこにもないのに時折見せられる子供っぽさとか素直さにグラグラ来てしまう男ですから。
病院に来た時の大河内の態度から、青池にしかわからない「希望」を感じ取ってもおかしくないのかもしれません

何にせよ、ものすごく印象に残る話でした。忘れられる気がしない(笑)
でもちょっともったいないことしたなぁ。
私、電子書籍でこの本を読んだのですが、挿絵がよく見えなかったんですよね。携帯の画面が小さくて。
初めて見る絵師さんでしたが、ものすごくいいイラストだなあと思ったので、もっとしっかり見たかったです。残念。

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Comment
よいどれうさぎ
2011/09/29 11:06 AM
みしゃりんさん、コメントありがとうございます!゚+.(´∀`*).+゚.
木原作品初挑戦だったのですが、予想以上にテンションが上がってしまって、私信までしちゃいました。
オススメしてくださってありがとうございます!

やっぱり「FRAGILE」って木原作品でもハードな方なんですね(笑)
けど、心の準備をしまくってから読んだせいか、意外と大丈夫でした。
ここのところハードな設定のものを呼んでなかったので、もしかしたら飢えてたのかもしれないです( ̄∇ ̄;)
まだ読んでみたい作品がいっぱいあるので、どれから攻略していくか悩んでます。
よさげな作品が多くて、目移りしますね♪

みしゃりん
2011/09/27 2:02 PM
私信ありがとうございます。
1人で電車で吹き出してしまいました(笑)

それにしても、初めてなのにえらいハードな作品からとっかかりましたね(笑)
さすがです!
私はWEEDから始めたのでまだソフトでしたから(笑)
でもお気に召されたようで一安心(^-^)/

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