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よいどれうさぎ

「美しいこと(上)(下)」 木原音瀬

JUGEMテーマ:BL小説
《あらすじ》
松岡洋介は週に一度、美しく女装して街に出かけ、男達の視線を集めて楽しんでいた。
ある日、女の姿でナンパされ、散々な目に遭い途方に暮れていた松岡を優しく助けてくれた男がいた。
同じ会社で働く、不器用、トロいと評判の冴えない男、寛末(ひろすえ)だった。
女と誤解されたまま寛末と会ううちに、松岡は「好きだ」と告白される。
松岡は、女としてもう会わないと決心するが…。


ハイ、満を持しての登場です!
木原先生といえばやっぱりこの作品ですね、私の中では。
BLにハマったばかりの頃、私は挿絵担当の日高ショーコ先生に入れあげてまして、彼女の著作を全部買おう!と鼻息荒く買いあさってた時期があったのです。
その時にアマゾンで日高先生の作品を検索してたら、この作品がヒットしまして
綺麗なイラストだな〜と思ったものの、小説の方にはそれほど興味が湧かなくて、放置してしまいました。
松岡に女装癖があるとあらすじに書いてあり、若干引いてしまった(爆)せいもあります。
それからしばらく忘れてたのですが、ここ最近の木原ブームに乗っかって読んでしまいました。
何にせよ、この作品で私は木原先生のお名前を知ったのですよ。

読んでみたら、やっぱり面白かったです。
木原先生にはいい意味でショックを受け続けてます。
第1次木原ショックは「FRAGILE」、第2次木原ショックは「NOW HERE」、第3次木原ショックはこの作品でございますよ。
木原作品をオイルショックのように言うなって感じですが、それほど印象深い作品でした
最近は何となくBLに対する熱が…冷めるというわけではないですけど、どこか惰性的になってるなあと思う時もたまにあって。
そんな私に喝を入れてくれた、素晴らしい作家さんです。木原先生は。

松岡の女装癖もそれほど痛くは感じなかったです。
女装してる時のイラストもあるのですが、完璧に美人なので違和感ないですし(笑)
女装ものが苦手だという方にも楽しめると思います。
私がお勧めするまでもない大人気作品ですが、でもやっぱりオススメ

以下、激しくネタバレです。
そしていつも以上に長ったらしいので、お時間のある時にどうぞ。

この作品のレビューを読んでると、割と高い確率で出会うのが攻の寛末をボロカスにけなしてるレビュー(笑)
最初この作品を敬遠した理由のもう一つは、それなんですよ。
そんな嫌な奴が攻だったら楽しめないかも……と思っていたのですが、何冊か木原作品を読んで耐性もついたし、大丈夫かと思い再度挑戦。
結果ですが、一読した限りでは、私はそんなに寛末がひどい人間だとは思えなかったんですよねえ
というか、これは結構普通の反応ではなかろうか。

寛末が置かれている状況を自分に置き換えて考えてみると、むしろ私は「松岡に対する感情がなんなのか、そばにいて見極めたい」と寛末が言ったことすら奇跡に近いんじゃないだろうか、と思います。
たとえば私にすごくすごく好きな男性がいたとして、一緒にいるだけですごく満たされた気分になる、この人と結婚したい……そう思ってるさなかに、その人に「実は女なんです」と言われたら……ぶっちゃけ、別れちゃうと思います。
その人の外見じゃなく人格を好きになったのだとしても、性別が女だとは思わないでしょ、普通。
「異性愛が自然な形」だというのは人間の本能というより、後天的に教え込まれた価値観にすぎないと思いますが、だとしても、これまで築き上げてきた価値観を根本から変えるっていうのはめちゃくちゃしんどいことですよ
だから、「男だと打ち明けても愛してもらえる」と思っていた松岡は、気の毒だけど正直甘いと思う。

寛末が松岡を遠ざけていくやり方も、陰険といえば陰険なんだけど、かなりリアルでした。
こういう状況に追い込まれれば、たぶん多くの人が似たような行動を取るんじゃないでしょうか。
決定的に「いやだ」とは言わない(言えない)んだけど、絶対に距離が今以上に近づかないよう予防線を張って、あわよくば向こうから縁を切ってもらえないか……みたいなスタンス。
このあたりは松岡視点なので、どうしても松岡に感情移入しやすいですけど、その気のない相手に対する態度なんて、こんなものじゃないですか
ただ、その人間が攻め、つまり松岡の相手役という設定だから腹が立つだけでね。

下巻では上巻以上に無神経かつ卑屈になる寛末ですが、私ね〜、このあたりもあんまり腹が立たなかったんですよね。
下巻では寛末がリストラされてしまい、しかも同時期に松岡の昇進が重なって、うまくいかない再就職のこともあり、寛末の精神状態はどんどん悪くなっていくわけですが。
あのですね、さっきからずっと酷いことを書いてるんじゃないかという気がしてるので、これ以上冷血人間だとは思われたくないのですが……私、寛末の気持ちがよくわかるんです。
はっきり言いましょう。無職の辛さは当の本人にしかわからない!!

なんでこうも寛末を弁護してるかというと、私自身がつい最近まで就職活動をしてたからです。
昨日の記事にも書きましたが、ホント辛かったです。
面接に落とされるたびに「自分は社会から必要とされてないんじゃ…」みたいに落ち込んで、近年まれに見るくらいイライラしてましたし
ついでに関係ない話をしちゃいますが、就職活動中、ある日テレビを見てましたら、とある主婦の方が「最近は不景気で、就職口がなくて困る」という話をされていて。
「うんうん、そうだね…」と思いながら聞いていたのですが、よくよく話を聞くと、その主婦の方はバブル世代の人で、空前の好景気の時に就職をされ、その後結婚退職、そして子育てが一段落したので家計の足しに働きたい……という人だったのですよ。

その人はこう言っておりました……。
「学生の頃は受けた会社全部から内定をもらったけれど、今は全然だめですね〜」

…………。
う〜〜ん。あのね、ちょっと君に言いたいことがある。

お前はバブルの時に一生分楽しんだやろっっ!!
一度でもジュリアナで踊り狂ったことのある奴に、今の不景気を嘆く資格はないっっ!!!


そう(心の中で)絶叫しました。
たかがテレビを見ただけでここまで神経がささくれていたあたり、当時の私の精神状態はやっぱり普通じゃない。
でもまあ、私が物心ついたときには既に日本は不景気でしたからね。
小泉さんが首相だった時は一瞬景気がよかったけれど、その時に私は就活してませんでしたしね。

……なんの話をしたいかというと、寛末もこんな風に追い詰められていたんじゃないかということです。
私が就活を始めたのは自分の意思ですが、寛末はリストラされた結果、仕方なく再就職をしなきゃいけなくなってます。
普通に就活をするだけでもしんどいのに、そこにリストラがプラスされると、精神状態が悪化するのも無理ないかな、と。
そのリストラだって、自分が「無能」だと評価された結果のものだとわかる形でされてる(寛末がそう思ってるだけかもですが)ので、余計きついですよ

新人ならともかく、30代という現役世代の中核を担うはずの年代でこういう目に遭うっていうのは、プライドも傷つきますしね。
寛末は友人も少ないし、家族も傍にいないし、おまけに年齢がネックになって就活はうまくいかないしでは、イライラするのも無理はない。
私自身、就活の時の余裕がない感じにプラスして、寛末みたいにさらに恋愛問題まで抱え込んでたとしたら、絶対に爆発してた自信があります
だから、正直なところ寛末を責めきれないのですよ。
嫌な部分ばっかり表に出てるので忘れがちですけど、鈍くて鈍臭くても、優しいところのある男ですからね。

ハイ、何か成り行きで寛末被告の弁護人みたいなことを書いてまいりましたが、寛末に思うところがないわけではないのですよ。
というわけで、ここからは寛末に対するツッコミを披露していきたいと思います


その1:
下巻で、寛末がリストラを通告された後、松岡と一緒に旅行へ行くことになった場面です。
沈んだ気分の寛末を尻目に、嬉しそうに旅館を見つくろう松岡に対して寛末が思ったこと。

「何がそんなに嬉しいんだろうと素で思う。」

コラーッッ!!

いや、寛末も気づいてるんだと思うよ? 思うけども!
好きな人と旅行できるからに決まってるやろがーっっ!!
「素で思う」ってところがまた何とも言えないな……素で思うな、そんなこと!


その2:
下巻で、寛末が田舎に帰ると決め、松岡を振ったシーン。

「寛末さんが田舎に帰るって決めた時、俺のこと考えた?」
「…いいや」

オイーッッ!!
そこは嘘でもいいから「考えた」って言ってやれ!
寛末ってねー、ちょっと矛盾してるんですよ。
遠慮会釈なくズケズケとものを言われることの辛さをわかってるはずなのに、松岡には結構それをやってる。

下巻にこういうくだりがあるんですけど、
「人と争うのが嫌だから、自分はあまり口答えをしない。そうすると「こいつは何を言っても大丈夫だ」と勘違いする輩が出てくる。
そして他の人であれば言葉を選ぶものを、直接的に言われるようになる。決して傷つかないわけではないのに。」
その後の寛末の行動を見てますと、「人のふり見て我がふり直せ」みたいな感じになってんじゃんかよ……あんたも人のこと言えないよ

寛末寄りの意見を書いてきた私でも、寛末がいかに松岡を傷つけてきたかはわかってるので、彼が田舎に帰った後、再び松岡に連絡しようと思ったところとかは、「よく連絡取ろうと思えるなあ…」と若干呆れてました。
つくづく残酷な奴だなあ…とも。
でも逆に、距離を置いて落ち着いてきたとはいえ、あれだけ「友達以上には見られない」と言ってきた松岡に対して、なぜいきなり恋愛感情を持つようになったのか、私はいまいちよくわからなかったのですよ
最初は松岡のヒゲが当たっただけで嫌悪感を持ってたのに、最後の方では抵抗がなくなってるし。

私の考えでは、最初のうちはやっぱりまだ寛末の中で「江藤葉子」が消えていなかったんじゃないでしょうか。
だからこう、葉子にあるはずのないヒゲに嫌悪感を持ってしまったのかも。
松岡は葉子でいる時も自分の内面を偽ったことはないと言ってましたけど、寛末にとっては二人が同一人物だとは(頭ではわかってても)なかなか納得できないでしょうし。
はっきりと書いてたわけじゃないので想像するしかないのですが、寛末は松岡の中に葉子の姿を無意識のうちに探してたんじゃないかなあ
それはつまり、まだ葉子のことを吹っ切れてないってことですから、松岡のことを友人止まりにしか思えなくても致し方ないのかもしれません。

寛末が松岡のことを特別な目で見始めたきっかけは、やっぱり田舎に帰ったことだったんでしょうかね。
都会でのしがらみを全て絶って、仕事のストレスも人間関係の煩わしさもリセットした時に初めて、それでも心に残ってる存在が誰なのかわかるということはあると思いますしね。
そう思えば、めちゃくちゃに傷つけられた松岡にも救いがある……かもしれない
正直、最後まで読んでも松岡が寛末に傷つけられた分を取り返せてない気がして、「ホントにこれでいいの?」って気がしなくもないですが、まぁ恋愛は好きになったほうが負けと言いますから…。

実は私、この作品の番外編小冊子も読みまして。
携帯サイト等で電子配信されているものですが、ぶっちゃけ、これも併せて読まないと、二人が本当にラブラブしてるのか確信が持てませんでした(笑)
だって遠距離だし、不安じゃないですか。
幸せなはずなのに必要以上に松岡がビクビクしててとても痛々しかったのですが、寛末のあの様子ではたぶん大丈夫だろうと思いました。
ナチュラルにスケベったらしい寛末と、それにオタオタしてる松岡が萌えです
このカップル、やっぱり好きだー。

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